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★★
コース NO.42
横沢入から横沢丘陵、武蔵五日市駅
/里山保全第1号「横沢入」を囲む横沢丘陵の山/
1.唐松山
2.天竺山
307.6m(三角点標高)
301m
JR武蔵増戸駅→25分→横沢入→15分→登山口→40分→唐松山→50分→横沢・小机林道→8分→石山の池分岐→5分→標識・鉄塔No3→<石山の池・石切り場跡往復12分>→3分→天竺山→40分→JR武蔵五日市駅
(歩行時間/約3時間20分)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★

 

保全地域最奥部の唐松山に登る

       横沢入

 1925(大正14)年、五日市鉄道の開通と同時にできたJR武蔵増戸(ますこ)駅の改札を出て右手に進む。人口の増えるのを願って、合併で消えた村名をあえて残した駅名だそうだ。大通りと出合ったら右折してすぐの踏切を渡って左折する。そのまま線路沿いに直進すると、龍性寺(りゅうしょうじ)の案内標識があり、その先に「横沢入(よこさわいり)」を指示する標識がある。ここまで駅から20分ほど。
 標識に従って北に進むと、まことに小さな水田が奥に向って連なり、棚田風の景色が広がる。2006年1月、東京都が「里山保全地域」の第1号として指定した「横沢入」だ。最奥部に唐松山、西に天竺山が迫り、湧水を集めた沢がいくつも流れ込んでいる。横沢入を囲むこの峰々は横沢丘陵とも呼ばれ、親しまれている。
 このコースは横沢東側尾根から逆時計回りで馬蹄形の丘陵を歩く。

登山口までは龍性寺脇の道をたどるのが近道だが、せっかくの里山の風景を楽しむためにちょっと遠回りをして登山口を目指す。
 中央湿地を西から東に回り込み、下ノ川を過ぎてすぐ横沢東側尾根への立派な道標が立っている。登り始めはトラロープが張られた足元の悪い急登だが、数分も登れば平坦な道になり、10分も歩かないうちに尾根に着く。唐松山へは左へ、右は尾根の末端へ続く道だ。
 自然林の中に続く道は、クリ、シデ、クヌギなどに囲まれ、いかにも里山らしい雰囲気だ。やがて北東の展望が開けて日の出団地や唐松山方面の尾根がよく見える。いったん日の出団地まで下って登り返す。ここからは横沢北側尾根だ。部分的な急登はあるが、緩やかにアップダウンを繰り返していくと唐松山の三等三角点が現れる。樹林に囲まれた静かな山頂だ。以前スギの木に掛けられていた「平井ノ頭」の手書き山名板はなくなっていた。

 

 

意外と手強いアップダウンも

       唐松山

 山頂から横沢北側尾根を西に向かう。20mほどの下降があり、その後、向きを変えて粘土質の斜面の急登がある。地面が乾いていれば問題ないが、斜面に張られたトラロープは正にお助けヒモとなろう。登り切ったところは小広く、木立ちに囲まれたスペースでひと息入れるのに適した場所である。
 尾根道のところどころに新しい木製の頑丈な標識が立っている。林間の緩いアップダウンが続く。右手に日の出町大久野の集落、学校などが見え隠れして、1/25000地形図の313mの小突起に導かれる。東電巡視路の標柱もあり、左手の切り開きを20mくらい下ると高圧線(大久野線)の鉄塔№30がある。

 さらに進むと、左が横沢・小机林道、右が日の出町・大久野中学校の三差路に出る。そのまま道を直進すると鉄塔№31がある。付近は明るい草地の斜面なので弁当を広げるのに適している。
 三差路に戻り、林道方面に下る。鉄塔№2を過ぎてなお下降すると、すぐに横沢・小机林道に飛び出す。中央湿地/広場から横沢北側尾根の麓を大きなヘアピンカーブを描きながら登ってきており、少し先が小机・五日市への峠(255m)となっている。ヘアピンカーブ方面に少し下ると、釜の久保源流がある。天竺山へは、カーブから右手に歩いて左の斜面に分け入り、木の根まじりの急登50mを頑張る。入口に標識がある。

 

 

石山の池は伊奈石の切り出し跡

      石山の池

 途中で鉄塔巡視路の黄色い杭が出てきて道が左右に分かれる。右手は天竺山に直接登り、左は№3鉄塔を経て天竺山または石山の池に至る。石山の池に立寄るなら左の道を進むと標識があり、すぐ左下の鉄塔№3の脇から少し急下降して5、6分で標識のある小広い場所に出る。標識に従って右に折れると、伊奈石を切り出した跡という大きな窪みがあり、底に石山の池がある。
 『新編武蔵風土記稿』には「信濃國伊那郡より石工多く移り住みて専ら業を廣くせし故に村名となせり、天正十八年御入国の後、江戸城石垣等の御用をつとむと云えり」とあるが、すでに12世紀には伊那から来住・開発し、伊奈石は多摩地域に流通していたとの神社の記録もある。伊奈石は硬質粗粒砂岩。加工しやすく、石碑、石仏、五輪塔、また石臼などとして利用された。横沢入周辺に百カ所近くの採石抗、また作業所、運搬道路が見つかっている。池の北側上部には、山神社の石柱、東の壁面には石の割り出しに使った鉄のクサビの痕がはっきり認められる。少し中央湿地方面に下ると、中央湿地西側の富田ノ入から尾根伝いに直接登ってくる道となり、切り出した石の残骸を集積した広場がある。

 

天竺山を経て武蔵五日市駅へ

 石山の池を見学したら再び鉄塔に戻り、左へひと登りで三内神社奥社のある天竺山に着く。頂上は東側が開け、サマーランドや視界がよければ新宿、スカイツリーなども見渡せる。ここからは下り一方で、最初は一部崩れた急な石段を降りる。そのあとは通常の参道が続き、途中で武蔵五日市駅、市街を望む眺望の開けた地点があり、秋川方面の展望が楽しめる。頂上から標高でほぼ100m下に三内神社の里宮があるので無事の下山を感謝して下ろう。道なりに下って武蔵五日市線の踏切を渡り、最初の舗装路を右折する。民家の間を進み、次の大通りで左折して駅方面に向かう。駅前駐車場の横に公衆トイレもあり、駅は目の前である。振り返ると先ほどたどってきた天竺山からの林に覆われた尾根がはっきり見える。

 

       天竺山

       三内神社

       大悲願寺

    この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)