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★★★
コース NO.28
数馬分岐から浅間尾根を東へ、浅間嶺、払沢ノ滝
/古街道だった尾根は富士遥拝の浅間尾根に/
1.浅間嶺
903m
JR武蔵五日市駅→西東京バス50分→浅間尾根登山口→1時間→数馬分岐→40分→一本松→40分→渕石宮→25分→人里峠→25分→小岩浅間→5分→浅間嶺標識(浅間嶺展望台)→1時間30分→時坂峠→35分→払沢の滝入り口→15分→払沢の滝→15分→払沢の滝バス停→西東京バス20分→JR武蔵五日市駅
(歩行時間/約6時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

 

甲州中道と呼ばれた浅間尾根

 北と南の秋川に挟まれ、それぞれの上流から合流地点まで、ほぼ東西に延びる尾根が浅間尾根だ。尾根はかつて両秋川に住む人々が、本宿・五日市に通うための生活道路で、甲州中道と呼ばれていた。昭和の始めまでは、檜原の主産物である木炭を積んだ牛馬が五日市方面に下り、帰りには生活物資を積んで戻ってきたという。

 このような生活道路だったので、比較的上り下りのない地形を選んだため、現在の登山道も浅間嶺を除き、ピークを避けたコースになっている。ピークハンターにとっては、いちいち頂上まで登るのがわずらわしくもある。ところどころに見られる馬頭観音は、かつて牛馬が通った生活道路であったことを思い起こさせる。

 JR武蔵五日市駅から数馬行きのバスで1時間弱、浅間尾根登山口で下車。トイレは道の向い側にある。バス停から100mほど戻って橋を渡り、人家の左側を舗装道路沿いに登る。左手はスギの植林帯。道の脇にはタマアジサイが続く。浅間坂の大きな看板が「浅間尾根登山道」を指している。右手浅間の湯・木庵を過ぎ、一軒家の前を左に曲がると角石がころがり登山道らしくなり、やがてスギ林の中の赤土の道になる。標識を過ぎ、コナラが交じるようになると、林相がやや明るくなる。途中、木の階段が続く。その道が終わる頃、左手はヒノキ、右手はアブラチャンが目に付く。この先、赤松の林を抜けると数馬分岐の道標とベンチのある浅間尾根に出る。

 足元には小さな馬頭観音が立っている。ここまでほぼ1時間だ。平らな道を進むと、少し下ったところに高さ5mばかりの岩があり、サル石の表示がある。「サルの手形の付いた大きな石。手の形は、よく探せば分かるよ!」と書いてある。岩の左手中ほどの指跡に見えるのが多分そうだろう。この先、緩く登ったところが藤倉分岐の道標。ヒノキの幹に「一本松」と書かれた木札が掛けられてある。ここから尾根に取り付き、尾根伝いに「一本松」にたどり着くが、この道に踏み込まずに進むと、スギやヒノキの林の中、平らな道を左に回り込んだ角に「一本スギ(一本松)」と書かれた大きな古い木の標柱と馬頭観音が立っており、930.2mの山頂に向けての踏み跡が付いている。本コース唯一の三等三角点ピークであり、わずか数分で登れるので、ぜひ寄ってみたい。針葉樹林のほんの少しの広まりの中、三角点と木の札がその存在を教えてくれる。

 

       数馬分岐

      サル石

        一本松山

南斜面はスギ、北斜面はナラなどの落葉樹林

      渕間石宮

 小さな石の祠の渕間石宮を過ぎると「崩壊のため高巻き」の表示があり、右手稜線に取り付くが、あまり進まないうちに稜線からそれて元の道に戻り、人里(へんぼり)峠の標識に出る。この先、伐採地をやや右手に迂回する。左手には、大岳山・御前山などの視界が広がる。やがて道は二股に分かれ、左は「浅間嶺」、右は「尾根筋を経て浅間嶺・休憩所」の標識がある。右手の道を登って行くと、稜線に出て右手の南斜面はスギ、左手の北斜面はミズナラ・コナラをはじめとした落葉樹林で、奥多摩に多く見られる林相となる。右の稜線上には、石宮ノ頭(911m)、ムケシノ頭(883m)がある。やがて、右へ分かれる緩い道を上りきると浅間嶺(小岩浅間)に着く。展望もない平坦な山頂だ。近くには浅間神社の小さな祠が建っている。かつては富士山が遥拝できたといわれるが、植林に囲まれて現在は叶わない。

 下ると休憩所とトイレのある園地に出る。上川乗方面の道標のすぐ左手を登ると展望台に着く。浅間嶺と大きく書かれた標識が立っている。スギあるいはヒノキの薄暗い林が続いていたが、ミズナラが目立つ明るい草原状のピークで展望がよい。

 

      小岩浅間

     浅間神社

      浅間嶺展望台

 

 

時坂峠を経て払沢の滝へ下る

       時坂峠

 赤土の道を、松生山への道を右手に分けて、サクラ並木を下る。カタクリ探索路の表示があり、早春にカタクリの花の咲く斜面のあることを教えてくれる。探索路入口を過ぎ、えぐれた道を下り、ゴロゴロの石が出てきた頃、右手に沢が流れる。沢をめがけて降りると水場になる。しばらく下ると、休息所跡の建物が現れ道標の左手に林道が延びている。右に入る細道の入口に「関東ふれあいの道」の道標が見られる。それに従って下る。道が舗装道路となり、峠の茶屋、払沢の滝の道標を過ぎると、道は二手に分かれる。左手の時坂(とっさか)峠への道を選ぶ。入口には、進入防止柵が置かれている。この道は、地形図では破線で描かれているが、立派な舗装道路だ。

       払沢の滝

やや行くと、正面にスギの木に囲まれた小さな祠と、右手には石碑と首の折れた仏像があり、時坂峠であることを示している。
 二、三段下がったところに浅間尾根道の由来を示した解説板が立っている。細い急な道を下ると林道に出て、道の向かい側にトイレがある。トイレのすぐ脇に下山路があるので注意したい。明るく開けた斜面を下って行くと、小さな小屋の軒に半鐘が掛けられている。やや下ると白い柵の手前、小さな倉庫のような建物の脇、ちょっと登り気味の道が下山路だ。標識がないので注意しよう。民家の軒先を借りるように道が付けられ、道標に従って林道を何度も横切る。まもなく払沢の滝入口駐車場に出る。トイレの右手急坂を下ると、払沢の滝入り口の標識がある。バス停は左手道沿いに進むとすぐそこだ。

 日本の滝百選のひとつ、払沢(ほっさわ)の滝に寄ってみよう。往復30分もあればよい。岩だらけの歩きにくい道だったが、ウッドチップが敷き詰められた歩きやすい道になった。北秋川の支流であるセト沢の淵の深みなどに目を奪われていると、ほどなく滝に着く。四段の滝から成るとか、目視できるのは、下から一段目、二段目ぐらいまでだ。春なら新緑、夏なら万緑、秋ならモミジのシャワーを存分に楽しめるだろう。

 

    この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)