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★★★
コース NO.12
軍畑駅から高水山、岩茸石山、惣岳山
/総称して高水三山、奥多摩入門の山/
1.高水山
2.岩茸石山
3.惣岳山
759m
793.0m
756m
JR軍畑駅→30分→高源寺→1時間→常福院不動堂→5分→高水山→35分→岩茸石山→40分→惣岳山→45分→四ツ角→30分→JR御嶽駅
(歩行時間/約4時間)
登山道グレード/★★ 体力グレード/★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★

 

多摩川・御岳渓谷の北に連なる三山

        高源寺

 高水山、岩茸石山、惣岳山の3つの山を総称して高水三山という。JR軍畑駅で降りる。駅前からの眺めがいい。左へ線路沿いに50mほど進み線路を渡って下って行くと旧鎌倉街道に出る。。現在は平溝通りと呼ばれ、秩父方面へ車やバイクの抜け道になっているので、注意して道路を横断し、歩道のある右側を行く。
 平溝川に沿って進むと、旧街道らしく不動尊、地蔵尊が並んでいる。平溝橋手前で左の道に入る。秋はカキやユズの実が郷愁を誘う。清流には10cmぐらいのハヤが泳いでいる。「高水山登山口」の石碑を右折すると高源寺がある。手入れの行き届いた境内の脇には新しいトイレも設置されている。

        常福院

 墓地と果樹畑の間の急な舗装道を登って行くとユズの木の下に「一合目」と書かれた石柱が立っている。釣堀を通り過ぎると車道歩きが終わる。登山口には砂防ダムの説明板があり、行く手に高さ15mほどの立派な砂防堰堤が見える。
 堰堤の階段を登ったところが三合目。登山道らしくなる。やがてススキに覆われた伐採地を汗だくになって登る。尾根に出ると六合目。風が心地よい。ひと休みしながら青梅の街並みを望む。汗が静まるのを待って、スギとヒノキの植林帯を登って行く。かつては表参道だった上成木からの道を合わせると、しだいに広葉樹が多くなり、空が近づく。下に林道が見え、歴史を感じさせる立派なスギの木がある真言宗常福院不動堂入口に着く。石段を登ると山門である。中から閻魔大王が睨みをきかせている。

 


畠山重忠が信仰した常福院

        高水山

 常福院は、鎌倉時代の名将畠山重忠が鎌倉へ馳せ参じるたびに立ち寄ったという。何度か火事に遭った。1822年に再建された不動堂は都の重要文化財で浪切不動が祀られている。御堂の前の狛犬が愛らしく、4月の例大祭には古式獅子舞が奉納される。樹齢百年以上のスギや見事なカエデがあり、心落ち着ける。

        岩茸石山

 境内裏にトイレがあり、坂をひと登りすると東屋に出る。大岳山とその手前に御岳山と奥の院が仲良く並んで見える。さらに登ると、すぐに高水山の山頂に着く。電波塔と金網が景観を邪魔しているが、ブナの大木などを見ながらベンチで休むことができる。高水山はこれから向かう岩茸石山などとともに多摩川水系と荒川水系の分水嶺となっている。
 畠山重忠は鎌倉武士の鑑といわれた。その名は嵐山町の屋敷から山越えの時に棒が折れた場所が「棒ノ折山」となったという話、武蔵御嶽神社の国宝に指定されている赤糸縅大鎧(あかいとおどしのおおよろい)を寄進したことでも知られる。源義経に従って平家と戦い、一ノ谷で戦勲を挙げた。

 

展望の岩茸石山へ

       惣岳山

 古いふたつの祠を見送ると、岩や木の根が露出した下りになる。急なところはわずかだが、ロープも張られている。冬場は霜や雪によるスリップにも注意が必要だ。平坦地に着くと常福院から来る巻道と合流し、しばらく快適な稜線歩きとなる。左側は針葉樹、右側は広葉樹が美しいコントラストを見せている。春はヤマザクラやミツバツツジが咲く。右手の樹間に武甲山、武川岳、二子山など秩父の山々が確認できる。
 東西に細長い岩茸石山の山頂には三等三角点があり、珪石(チャート)の露岩がある。かつてイワタケが採れたのが名前の由来だという。御巣鷹山、障子石山の別名がある。北には東京都と埼玉県の境の山々、奥武蔵の山々が幾重にもひだをなし、展望絶佳である。西には本仁田山と川苔山の間から雲取山が姿を見せている。北西手前に大きく黒山、その向こうに棒ノ折山が重なって見える。

 

森林浴の惣岳山に延喜式記載の神社

      青渭井戸

 岩茸石山からは、南にいきなり急な斜面となっている。木の根や岩の間を慎重に下りる。高水山方面からの近道を合わせたところが馬仏峠で、次に目指す惣岳山が見える。スギやヒノキの林の中をフィトンチッドの香りを感じながら快適に歩いて行く。
 馬仏山(まぼとけやま/723m)への登路の赤いテープを見送ると、西に墨絵のような展望がひらける。御前山の左に大岳山、右には本仁田山が大きく、川苔山から長く伸びてくる赤杭尾根を手前にいくつもの尾根が重なり、その上に鷹ノ巣山がちょこんと乗っている。谷間の奥には壁のような大菩薩連嶺が意外なほど大きく見える。

      御嶽駅への道

 惣岳山の登り口に着くが、岩茸石山からだと道標が見えにくい場所にある。左の巻道には行かず、木の根だらけの岩場を、両手も使って登る。「道悪し 通行注意!」の表示を見ながら、なおも登ると、ほどなく山頂に出る。山頂には平安期延喜式にも記載がある青渭(あおい)神社奥の院がスギ木立の中にひっそりと静まりかえっている。1845年再建のお堂の周りには火災や悪戯よけという金網が張り巡らされていて、手彫りの山名板が取り付けられている。恐る恐る中をのぞいていてみると正面には大国主命(惣岳様)が祀られている。四方に手の込んだ彫り物が施されている。三田、北条、徳川と時の支配者の信仰が篤かったそうだ。
 山頂をあとにしてスギ林の参道を下る。大きな御神木に守られるように祠が立っている。神社のご神水、真名井天神である。巻道と合流する。赤土がえぐれ、みず道となってしまった横に新しい道ができている。登山者やランナーが増加したために道が踏み固められた。滑りやすいので注意が必要だ。送電線をくぐると四ツ角に出る。右は丹縄、左は青渭神社を経由する沢井への道だが、石がごろごろして歩きにくい。直進して緩やかに登り返すと広い道になる。電車や車の音が聞こえてくる。412mのピークを過ぎ、大きな送電鉄塔を通過すると、あとは御嶽駅まで下るだけだ。

 

    この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)