topimg
★★★★
コース NO.03
雲取山から長沢背稜、東日原へのロングコース
/都県境・分水嶺を構成する長沢背稜の峰々/
1.芋木ノドッケ
2.小屋背戸ノ頭
3.長沢山
4.酉谷山
5.天目山
6.滝入ノ峰
1,946m
1,820m
1,738m
1,718.3m
1,576m
1,309.9m
雲取山荘→35分→大ダワ→35分→芋木ノドッケ→25分→小屋背戸ノ頭→25分→桂谷ノ頭→35分→長沢山→15分→右谷ノクビレ→25分→天祖山分岐→25分→滝谷ノ峰ヘリポ→卜一45分→上福ノタオ→35分→酉谷山→15分→縦走路→50分→七跳尾根分岐→1時間→天目山→15分→一杯水避難小屋→1時間40分→東日原バス停→西東京バス50分→JR奥多摩駅
(歩行時間/約9時間)
登山道グレード/★★★ 体力グレード/★★★★★ 技術力グレード/★★ 総合コースグレード/★★★★

 

芋木ノドッケから長沢背稜へ入る

     芋木ノドッケ

 東京都の最高峰、雲取山から北に向かい、さらに東に延びて多摩川水系と荒川水系を分ける長大な稜線がある。東京都と埼玉県の境をなし、200mから2,000mの標高差があるため、亜高山帯から里山までのさまざまな植生を見ることができる。西のエリアは途中にある長沢山の名を取って長沢背稜(ながさわはいりょう)と呼ばれ、原始の深林を今に残す奥多摩の最深部となっている。
 雲取山荘から芋木ノドッケへ向かうと、右に女坂、左に男坂と道が二手に分かれる。男坂に入るとすぐに明るい小広場が開け、左に両神山が望める。廃墟と化した雲取ヒュッテを過ぎ、下り着いたところが大ダワ。

バラ尾根ノ頭(1,860m)を巻き、左に三峰方面への道を分け、登り付いた芋木ノドッケの山頂はシラビソの木に囲まれている。展望がないだけに奥多摩深部の雰囲気が色濃く感じられる。
 山頂からは、再び三峰への道を左に見て長沢背稜に入る。倒木を越えヤケトノ頭(1,818m)を過ぎると、縦走路は平坦となり南側の展望が開ける。そこから眺める雲取山から続く石尾根のうねりは、まるで塀のように立ちはだかって見える。小屋背戸ノ頭は、南側の沢に山仕事のための小屋があり、背後にこの山があったため、背後=背戸の名が付けられたという。芋木ノドッケを除いた長沢背稜の最高点でもある。ほとんど展望はなく、気を付けていなければそのまま通りすぎてしまいそうな山だ。シヤクナゲの枝を払いつつ、桂谷ノ頭(1,708m)、杣小屋ノ頭(1,650m)を越えるとダケカンバの多い明るい稜線が続き長沢山に着く。長沢背稜の名前のもとになった山にしては地味な印象だ。

 

      小屋背戸ノ頭

       長沢山

     タワ尾根合流点

 


 

さわやかなダケカンバの道

      酉谷山山頂

 長沢山からやや平坦な道となり、次第に幅も広がってくる。あたりはダケカンバが多く、春先は緑がさわやかだ。右谷ノクビレを過ぎ、板子屋ノ頭(1,710m)の北斜面の広葉樹林をトラバースし、水松山(あららぎやま/1,699.2m)手前で稜線を乗り越える。このあたりもダケカンバやカラマツが明るい。岩下谷ノ頭(1,708m)を巻くと少しの間、登りとなり、間もなく滝谷の峰(1,710m)西側のヘリポートの脇に出る。

      酉谷避難小屋

 滝谷の峰を南から大きく回り込んだ縦走蕗は北に転じ、定福ノタオ(じょうふくのたお)に導かれる。酉谷山に至る道が左に分岐している。山頂への道に入るとブナやダケカンバの大きな木が目につく。地形図にはないピークがいくつも現れ、疲労し始めた体にはきつい。登りついた山頂は南東の眺めがよく、天気がいいと富士山を望むこともできる。二等三角点もあり、狭いながらも長沢背稜の盟主の趣を感じさせる。
 山頂から東に向かい、やや急な斜面を下ると酉谷山避難小屋の屋根が見えてきて巻いてきた縦走路に飛び出す。避難小屋は、きれいに手入れが行き届き、休憩や緊急時の避難には最適だ。小屋の前には水場があるが、水が出ないこともあるので、あまりあてにすることはできない。

 

明るい水平道から-杯水避難小屋へ

 縦走路は、ほぼ水平に稜線の南斜面を行く。日向谷ノ頭(ひなただにのあたま/1,702m)、坊主山(1,595m)を巻き、七跳山(ななはねやま/1,651m)の南斜面を登り詰め七跳尾根分岐に達する。七跳尾根を下れば1時間ほどで小川谷林道に出られるのでエスケープルートとしての利用価値が高い(小川谷林道は2017年7月現在通行禁止)。

       天目山

 大栗ノ頭(1,591m)を巻いた先に、長沢背稜一、二の好展望地ハナド岩がある。雲取山から延びる石尾根、鷹ノ巣山の左肩に見える富士山など、目を見張るような大展望をぜひ体験してほしい。アップダウンのほとんどない縦走路を行くと、左に天目山(三ツドッケ)への道が分かれている。ひとつめの頂を越えて着いた三等三角点のある山頂はそれほど広くはないが、展望は広闊で、蕎麦粒山をはじめとする奥多摩・奥武蔵の山々、さらに秩父盆地の先には、遠く赤城山の姿を望むことができる。頂上からいったん下って登り返し、3つ目の頂で南に延びる尾根を下ると一杯水避難小屋の前に出る。樹林の中の道を東に5分ほど行くと水場がある。水量は少ないが、貴重な水場である。

 


     一杯水避難小屋

      一杯水の水場

 


 

おだやかな横篶尾根を東日原へ

       横篶山

 一杯水避難小屋からは横篶(よこすず)尾根を下る。おだやかな道は横篶山(1,289m)を巻き、さらに滝入ノ峰を巻くが、この巻道は踏み外したらどこまでも落ちて行きそうな急斜面を横切る。

       滝入ノ峰

滝入ノ峰へは、巻道との分岐から直登する。短い急な斜面を登り、狭い尾根筋を行くと立派な三等三角点と出合う。山頂は自然林に囲まれ実に好ましい。縦走路/巻道に戻るには南西へ延びる尾根筋を忠実にたどる。ここはバリエーションルートとなるので山慣れた人にしか勧められないが、奥多摩の中でもとくに自然環境の優れたエリアだといえる。とくに秋の紅葉は素晴らしい。下って行くと尾根の末端に道標があり、巻道と合流する。
 道はやがて急傾斜のヒノキの植林の中をジグザグに下るようになる。単調で長い下りにいい加減飽きたころ、木の間越しに東日原の集落が見えてくる。

    この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、第719号)